母の役割

私が子供の頃、母親に「ピアノの練習をしなさい。」とか「もう練習したの?」と言われたことがありませんでした。
練習するのが好きだったんですね。
ピアノが好きだったことも勿論ありますが、母親は私のピアノをよく聴いていてくれて、毎回誉めてくれていたように思います。
本人が弾けないものだから、少し弾ける自分の子供が「スゴイ!」と思ってしまうのでしょう(笑)
練習して弾けるようになるたびに誉める。
レッスンのときに先生の家の前で待っていてくれて、私のピアノを聴いてくれる。
先生は音楽に真摯的で厳しい方だったので、私が中途半端なことをすれば容赦なく叱ってくださいました。
泣いて帰ってくることもしょっちゅうありました。
そんなときに母は
「先生は怒ってるんじゃないんだよ。もっと上手になれる要素があるから叱ってくれているの。
もしもアナタのことを諦めているなら叱らないよ。
叱るってことは、スジがいいってことなんだよ」
と言ってくれていたように思います。
それが子供にとって、どれだけ心強い言葉だったか。

多分、先生にただ叱られるだけでは子供は頑張れないと思います。タジタジになってお終い。。。でしょう。よほど気の強い子でないかぎりは。
だから、母親の、そういったプラスのフォローがあってこそ、子供は頑張れるのでしょうね。

母親の役割は、大きいです。
無理強いするわけではなく、さりげなくやる気になるように仕向ける。
今自分が母親になって、それがどれほど難しいことなのか、痛感しています。
あれこれ手を出すほうが簡単なのです。
しかし、本人が自らやる気になり、さらに弱気になってもフォローする。
これは、なかなか、難しいです。

自分の母親は、そういうことに関して何の努力も考えもあるように思いませんが(失礼な言い方ですけれども・・・)天性でやってのける人なのだと思いました。
見習うべきところです。