Aくんの考案

出来ないパッセージは繰り返して練習するのだが、ただ繰り返していても出来ないまま。ここは一番工夫のし甲斐があるところ。
私の師匠は「出来ないパッセージは自分で10個ヴァリエーションを作りなさい」とおっしゃいました。実行すればアラ不思議。10個考えて練習するだけで出来るようになっちゃう!
上級者だったらこの方法でいいんだけど、小学生だと飽きます。しかもヴァリエーションの素材を持っていないので、10個は自分で作れない。なので私がいろいろな方向からアプローチ。いろいろその子に合った方法を考えるのは楽しいものです。

ある日のAくんのレッスン。Aくんは単調なつまらない繰り返しの練習をするのが大嫌い(笑)
でも楽しい方法だとすぐに乗ってくる。乗ってきて、自分で先回りしていろいろ発見してくれる。

出来ないところを抜き出して、じゃ、ここをやってみよう。
するとAくんは、まずそのパッセージを楽譜通りに弾き、その次に「音の旅」と言ってオクターブ上で弾き、その上のオクターブで弾き、全部その音のある個所で弾いた。
そうして遊ぶだけでもうそのパッセージは7回8回と練習できてしまう。
「それは前に習っていた先生が考えた方法なの?」と聞いてみたら「ううん。自分で考えたの。音の旅!」と誇らしげに。
スバラシイ!!そんな練習方法もあったのね!目からうろこ〜でした。