キンチョーする〜ぅ

大学時代、一つ上の先輩が言った。「同年代の女の子たちはさ、こんなふうに私たちみたいに緊張しなくていいんだよね。」本番で出番を待っている時のことだった。本番前。口から心臓が出そうな緊張。確かに、この緊張感を味わう人はそう多くないと思った。いや、実はどこの女子大生でもそんな緊張感は味わうのかな。単なる認識不足か。。。?


大学の期末試験や発表会には練習に何ヶ月掛けるでしょうか?3ヶ月じゃステージに怖くて立てない。半年は要る。試験はもち時間5分くらいなので5分の曲に半年なのだ。師匠はご自身のリサイタルは1年前から本格的に取り組むという話でしだったので、試験のために半年でも短いかもしれない。あ、でもリサイタルは1時間くらい演奏するのでそれくらいはかかるでしょうか。。。


ともあれ、5分の曲に半年掛けるわけだ。これだけ、ここもあそこも、こんなに工夫したし、研究したし、大丈夫!!!!と暗示をかけても、「でも。。。この一回の本番で失敗したら・・・」と思うと緊張しないわけがない。緊張するのが当たり前。「緊張しない人は演奏家になることを薦めない」と有名なドイツの演奏家が言っていたな。。。


音大に入る前、「本番では緊張するんだから120%練習してやっと100%出せる」なんて言われてきた。私もそれが当然だと思っていた。しかし、音大受験で初めてM教授のプライベートレッスンに伺った時、全く違うことを言われた。「普段の100%の力がステージで120%になるのが演奏家なのだ」と仰った。さすがN響主席!そういう世界なのか!!!その後M教授は沢山の名言を残して下さった。「上手いか下手か、それしかない。普通より上手い。それは”下手”な部類に入ってしまう」「コンクールで一位を取るような人は技術だけじゃなく、ファンタジー、霊感のようなものがある」「あなたは良く練習するけど、その練習の跡が見えてしまう。それが惜しい。あたかもそれはその場で即興で演奏されているようでなければならない」等、今でも心に留めて、今の自分はどうだろうかと確認しているが、まだまだのようだ。。。


やっと本題(笑)

1年生のHちゃん。「今日はこれをいっぱい練習してきたんよ。あーどうしよーキンチョーするよー」って。カワイイ(笑)わかるわかる。いっぱい練習してきたプレッシャー。まさに前記の試験前の心境なのね。「いっぱい練習したから緊張するんだよね。うんうん。ちょっと弾いてみようか?」と促し弾いてもらった。カンペキ!!練習→緊張→◎コースでした!!


逆に、練習不足も緊張する。ヘンに緊張し、浮き足立って、舞い上がる。普段の努力でこれは防げるので、この緊張はしないようにしましょう(笑)


音楽って。。。。緊張するのね。。。。やめとこ。。。と思われそう(笑)
心の鍛錬だと思って、どしどし緊張してみて欲しいのだが。。。フォローになってない。。。
今までやってきたことが人前で80%出来たなら、それを次回は81%にする努力をする。どんどん数字を上げていき、努力した後の達成感を味わう。自分にしか分からないことですが、心身共にかなりの訓練にはなると思います。どしどし人前で演奏しましょう。私も機会を作るよう、頑張ります。
なにより、時間をかけて一つの音楽を丁寧に作り上げた経験は、趣味でやるにしても、精神的に大きな変化を感じることだと思います。


趣味=いい加減。ではありませんからね。
こんな私も実は。。。大きな声では言えないが、音楽以外は・・・・とってもいい加減。。。反省。