感受性豊かな

とりあえずワンレッスンを、という小1の子。「ドはどこか分かる?」とりあえず、どんなことを理解しているのか知るために一応聞いておくんですね。「えっとね、赤いシールがあるところ」とその子。幼稚園の時、鍵盤ハーモニカに先生が目印のシールを貼って下さったのでしょう。でもそのことを素直に伝えることが出来る。カワイイです。


「ド」の位置を理解するための導入曲と、ドをおぼえたらドだけを使って私が弾く短い曲に即興でリズムをつけてもらったりした。曲を聞き終わる前にすぐ曲のかんじを掴み、すぐに即興でリズムを取り始めるその感性に、驚いた。リズムに乗るときには体で感じ、悲しい曲ではそのような音色を出せる。なんて素直な子なの!!!


私自身、緊張しやすく初対面の人とはあまりオープンに接することが出来なかったので(今は大人なのでなんとか努力はしていますが・・・)こういう子に出会うと心底羨ましい。


初回の30分で「ド」の位置もカンペキに覚え、即興で楽しくリズムも刻み、楽譜も「ドレミ」の3つの音を読めるようになり、「これは楽しそうだ。ずっと続けたい」と思ってくれたようです。嬉しいです。


さて。今小学2年生の子が何人か居ます。みんなお友達です。レッスンの時に「○ちゃんは今どこ?」とみんな興味があるみたい。学校でも「今何弾いてるの?」と話題をするようです。ライバル意識の表れですね。
私も一人ライバルが居ました。大体同じペースの進み具合でしたが、ライバルは譜読みが遅い。でも仕上げが丁寧。私は譜読みは早い。仕上げが荒い。そういうことでよく比べられていました。彼女が私に対してライバル意識を持っていたかどうかは定かではありませんが、多分彼女は「勝ち負け」で弾くタイプではなかったので、ライバルが居ても居なくてもピアノの進度に影響は無かったでしょう。彼女より絶対に上手になりたい!発表会でも彼女の後に弾くようになりたい!そんな気持ちで弾いていましたので、まぁ音楽もそんな創りだったかと思われます(笑)

逆に、フルートは誰もライバルが居なかったのでノンビリしたものでした。それでも音大に入ればそこからが競争。絶対に負けるもんか!とまた競争心が激しくなりました(笑)

音楽は、競争じゃないですから、競争しなくていいんです。どこを競うのですか?指の早さ?タンギングの速さ?ブレスの長さ?そんなこと誰より出来ても聴いてる人は誰も心が動きません。
でも、競争から得るものも、少なくないです。競争も、悪くは無いよ、と思います。「競争しろ」とは言いませんが。


ただ、やっぱり先に進んでいた人が後から来た人に抜かされたときは、ちょっと辛いですね。「○ちゃん、もしかして私を抜いちゃった?」と寂しそうに聞いてきたMちゃん。
「本が先に進むとか進まないとか、関係ないよ。この曲を、MちゃんがMちゃんらしく弾くことのほうがずっとずっと大事なんだよ。Mちゃんの思いを最大限に表現すること、それが一番大事なの。先に進んで音がいっぱいになる曲が難しいわけじゃない。音が少ないからこそ難しい曲のほうが多いんだよ。」と慰めになったかならないか分からない言葉を投げかけておきましたが。。。

ライバルと共に切磋琢磨しながら良いものが出来ますように!