レベル

先日、手洗いについてある人が「洗うのと洗えているのは違うのだ」と仰っておられて、そうか!と思った。

弾けるのと弾けてるのは違う。

例です。
A子ちゃんは7歳なのにもうベートーヴェンソナタを。。。ウチの子は同じ歳なのにバイエルで。。。
なんて比べてしまう人。
私が弾くベートーヴェンと、ホロビッツが弾く同じ曲。どんだけ差がありますか?
雲泥の差。。。ですよ。悲しいけど。
A子ちゃんの弾くベートーヴェンを実際聴き、心の底から感動できる素晴らしい音楽を奏でている、心が揺さぶられる等の印象があれば、とっても上手なのだと思うけど、ただ楽譜通りに指が動いているだけなら、それは「弾ける」です。
もしかしたら「ウチの子」はバイエルですが、ものすごく生き生きと、その子なりの解釈で演奏出来ているかもしれません。

解釈が難しいという点での難易度はあるけれど、テクニックだけで難易度を考えるのはナンセンスだと思うのだが。。。
ピアノは、出版社で曲にランク付けがあったり、導入、初級などの言い方があったり(ウチもそういうコース設定はありますけどね・・・)どうしてもテクニック重視になりがち。

フルートは、あんまりそういうの、ないけど。

四分音符と二分音符だけで出来ている、しかも音域は一オクターブ以内の曲。
人に言わせれば「簡単」なんでしょうけれど、実は音符が少ないほうがどうしてどうして難しいのに。
シンプルな譜面ほど、その人自身が出やすいわけで、中身の薄い人が演奏すれば本当にそれなりに、聴き堪えのないつまらない音楽になる。が、濃く演奏できる人はそのシンプルな譜面に命を与えます。

だから。フルート用ですが、モイーズの24の練習曲(初級)は初級と書いてあるが上級なのだ、と私の師匠が言っていた。
これを練習するとき、自分のつまらなさが全部さらけ出されてしまうので、非常に怖い。見たくない部分を見るようで。

練習以外に努力しないといけない部分が多いですね。私もまだまだまだまだ。。。。です。